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A1-1.pdf
# ニューラル機械翻訳における Iterative Back-Translation を利用した コンパラブルコーパスの活用 山本 優紀 秋葉 友良 塚田 元 豊橋技術科学大学 \{yamamoto.yuki.pr, akiba.tomoyoshi.tk, tsukada.hajime.hl\}@tut.jp ## 概要 ニューラル機械翻訳 (NMT) の学習に用いる対訳コーパスの構築法として, 文書単位で対応付けられた 2 つの言語のコーパス (コンパラブルコーパス) から、対応付けられる文ペアを自動的に抽出する手法が広く採用されている. しかし, 文単位で意味が対応するものは少なく,多くの文は抽出されず捨てられてしまう. ...
NLP-2023
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(C) The Association for Natural Language Processing, (Licensed under CC BY 4.0)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
A1-2.pdf
# Understanding Why Polysemous Words Translate Poorly from a Calibration Analysis Perspective Yucong $\mathrm{Wu}^{1} \quad$ Yusuke Miyao $^{1}$ ${ }^{1}$ The University of Tokyo wu-yucong725@g.ecc.u-tokyo.ac.jp yusuke@is.s.u-tokyo.ac.jp } \begin{abstract} Neural machine translation models have difficulty in translat...
NLP-2023
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A1-3.pdf
# 日英翻訳を対象としたイディオム表現の評価指標の提案 廣瀨惟歩 1 渡辺太郎 ${ }^{1}$ 1 奈良先端科学技術大学院大学 自然言語処理学研究室 \{hirose.yuiho.ia8, taro\}@is.naist.jp ## 概要 ニューラル機械翻訳(NMT)の課題の一つして, イディオムなどの非構成的な表現の翻訳が挙げられる. NMT システムは原文を単語単位で解釈して翻訳するため,非構成的な意味を有するイディオム表現に対しては誤訳が度々生じる。また,既存の自動評価指標は局所的な評価ができず,イディオム表現の翻訳性能の評価には適さないという問題点がある. 本研究では, 日本語と英語を対象に,イディオ么表現の翻訳性...
NLP-2023
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A1-4.pdf
# 双方向翻訳モデルの相互学習による 対訳語彙の教師なし獲得過程の調査 谷川玩磨秋葉友良塚田元 豊橋技術科学大学 \{tanigawa.takuma.fu, akiba.tomoyoshi.tk, tsukada.hajime.hl\}@tut.jp ## 概要 本稿では,データ拡張手法である Iterative Backtranslation(IBT)を用いたドメイン適応による単言語資源からの知識獲得について調査を行った. 我々の先行研究では,2 言語の単言語コーパスに分かれて出現する互いに翻訳関係にある語のぺア (対訳語彙) であっても,IBTを繰り返すことで次第に対訳として翻訳できるようになることを明らかにした。今回の実...
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A1-5.pdf
# ニューラル分類器の予測の解釈に基づく 翻訳が難しい表現の検出 坂口 典三 村脇 有吾 Chenhui Chu 黒橋 禎夫 京都大学大学院情報学研究科 \{n-sakaguchi, murawaki, chu, kuro\}@nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp ## 概要 修辞技法に代表されるような文化圏に特有な表現は近年のニューラル翻訳モデルでも正しく翻訳するのが難しく, 原言語側で検出し,前編集することが翻訳精度向上のための有望な方法であると考えられる. そこで本研究では,日本語において翻訳が難しい表現を翻訳前に検出することを試みる。具体的には,翻訳が難しい表現は母語話者が書いたテキストに特徴的であるという仮...
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A10-1.pdf
# 日本語の大規模 Twitter データからみる 新型コロナワクチン接種に関する人々の関心の推移 武富有香 ${ }^{1}$ 須田永遠 ${ }^{1}$ 中山悠理 ${ }^{2}$ 宇野毅明 ${ }^{1}$ 橋本隆子 ${ }^{3}$ 豊田正史 ${ }^{4}$ 吉永直樹 ${ }^{4}$ 喜連川優 ${ }^{4,5}$ Luis E C Rocha ${ }^{6,7}$ 小林亮太 ${ }^{2,8}$ 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 ${ }^{1}$ 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 ${ }^{2}$ 千葉商科大学 商経学部 ${ }^{3}$ 東京大学 生産技術研究所 ${ }...
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A10-2.pdf
# ツイートテキストデータによるリツイート数予測とその要因分析 増川哲太 ${ }^{1}$ 雨宮正弥 ${ }^{1}$ 仲田明良 ${ }^{1}$ 高須遼 $^{2}$ 狩野芳伸 ${ }^{1,2}$ 1 静岡大学 情報学部 ${ }^{2}$ 静岡大学 総合科学技術研究科情報学専攻 ${ }_{1}^{1,2}\{$ tmasukawa, mamemiya, anakada, rtakasu, kano $\}$ kanolab. net ## 概要 SNS 投稿が社会に及ぼす影響は、人々の行動を左右するまでに大きくなった. Twitter に投稿されたツイートの影響を測る指標の一つはリツイート数である. 本研究では...
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A10-3.pdf
# 誰に向けた発言か?:ツイートの指向性推定 清基英則 ${ }^{1}$ 劉康明 ${ }^{1}$ 矢田竣太郎 ${ }^{1}$ 若宮翔子 1 荒牧英治 ${ }^{1}$ 1 奈良先端科学技術大学院大学 \{kiyomoto.hidenori.kj5, liew.kongmeng, s-yada, wakamiya, aramaki\}@is.naist.jp ## 概要 新型コロナウイルスの拡大に伴い,政府や自治体はソーシャルメディアを用いた正確かつ迅速な情報発信が求められている. そのためには, 特定の対象 (年代や性別など)に向けて発信された情報を,その対象が自分に向けて発信されていると理解できるかどうか,すなわ...
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A10-4.pdf
# コロナ禍前後における Twitter ユーザの性格別感情変化の分析 松本 和 ${ }^{1}{ }^{1}$ 喜島 $\quad$ 涼太 ${ }^{2}$ 吉田 稔 $^{1}$ 北 研二 $^{1}$ 1 徳島大学大学院社会産業理工学研究部 ${ }^{2}$ 徳島大学大学院創成科学研究科 \{matumoto, mino, kita\}@is. tokushima-u. ac.jp, c612135039@tokushima-u. ac. jp ## 概要 2019 年末から始まったコロナ禍も 3 年が経過し,徐々に行動制限が緩和され, 日々, 状況は変化しつつある. 現在も,生活様式の劇的な変化に伴い心身へのスト...
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A10-5.pdf
# 多様な特徵量を考慮した Twitter ユーザの性別推定 廣田遼 白井清昭 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻科 s2110142@jaist.ac.jp ## 概要 Twitter ユーザの性別を推定する手法を提案する。従来研究の多くはユーザが投稿するツイートを元に性別を分類していたのに対し,本研究は,投稿ツイート,自己紹介文,ユーザ名,プロフィール画像, フォロワーなど,様々な特徴量を考慮する点に特長がある。また,投稿ツイートのテキストと画像を同時に考慮した複数のモデルを提案する.評価実験の結果,提案手法の有効性を確認した。 ## 1 はじめに 本論文は Twitter ユーザの性別を推定する新しい手法を...
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J-ResearchCorpus

Update:

  • 2024/3/16
    言語処理学会第30回年次大会(NLP2024)を含む、論文 1,343 本のデータを追加
  • 2024/2/25
    言語処理学会誌「自然言語処理」のうち CC-BY-4.0 で公開されている論文 360 本のデータを追加

概要

  • CC-BY-* ライセンスで公開されている日本語論文や学会誌等から抜粋した高品質なテキストのデータセットです。言語モデルの事前学習や RAG 等でご活用下さい。
  • 今後も CC-BY-* ライセンスの日本語論文があれば追加する予定です。

データ説明

  • filename : 該当データのファイル名
  • text : 日本語論文から抽出したテキストデータ
  • category : データソース
  • license : ライセンス
  • credit : クレジット

データソース・ライセンス

  • テキスト総文字数 : 約 3,900 万文字
data source num records license note
言語処理学会 年次大会発表論文集アーカイブ 1,924 cc-by-4.0 ・2021年から2024年の論文を抜粋(※言語処理学会に確認したところ2020年以前のものは CC-BY-4.0 ではないとのこと)
言語処理学会誌「自然言語処理」 363 cc-by-4.0 ・CC-BY-4.0公開となっている2009年以降のものを抜粋
東京女子医科大学雑誌 96 cc-by-4.0
リスク研究(日本リスク学会) 100 cc-by-4.0
日本熱電学会誌 11 cc-by-4.0
デジタルアーカイブ学会誌 744 cc-by-4.0

テキスト抽出例

以下の一例のようにテキストを抽出しています(VSCode の Markdown プレビューで見ると数式も綺麗に見れます)。

表示する

ニューラル機械翻訳における Iterative Back-Translation を利用した コンパラブルコーパスの活用

山本 優紀 秋葉 友良 塚田 元 豊橋技術科学大学 {yamamoto.yuki.pr, akiba.tomoyoshi.tk, tsukada.hajime.hl}@tut.jp

概要

ニューラル機械翻訳 (NMT) の学習に用いる対訳 コーパスの構築法として, 文書単位で対応付けられ た 2 つの言語のコーパス (コンパラブルコーパス) から、対応付けられる文ペアを自動的に抽出する 手法が広く採用されている. しかし, 文単位で意味 が対応するものは少なく,多くの文は抽出されず捨 てられてしまう. 本研究では、対訳コーパスとし て抽出されなかった文を含めて,コンパラブルコー パス全体を NMT の学習に活用する手法を提案す る. 評価実験により, コンパラブルコーパスでデータ 拡張を行うことや, コンパラブル性の利用, Iterative Back-Translation の活用によって翻訳モデルの性能が 向上することを確認した.

1 はじめに

機械翻訳の分野では, 深層学習の発達により, ニューラルネットワークを用いるニューラル機械翻訳 (Neural Machine Translation:NMT) が, 従来手法の統計的機械翻訳よりも高い性能を示しており, 様々な 研究が行われている. NMT では, ニューラルネット ワークで構築した翻訳モデルを, 翻訳元の言語 (原言語) の文と,その訳の言語 (目的言語) の文のぺアにし た対訳コーパスを用いて学習を行う. NMT は, 対訳 コーパスから翻訳に関わる様々な知識を学習するた め, 対訳コーパスの質や量が NMT モデルの翻訳性能 に大きく影響する.しかし, 大規模な対訳コーパスを 人手で作成することは困難という問題点がある.

この問題の解決策として, 既存の日本語と英語の 翻訳テキストから対訳コーパスを構築する手法が提案されている.[1]これは, 新聞などの文書単位で対応付けつけられた 2 つの言語コーパス (コンパラブ ルコーパス) から, 対応付けられる文ぺアを自動的 に抽出することで対訳コーパスを構築する方法で ある. しかし,コンパラブルコーパスの中で文単位 で意味が対応するものは少なく,多くの文は抽出さ れずに捨てられてしまう. 実際, 本論文で使用した PatentMT の調査では 1 つの文書から平均約 $27.1 %$ の文しか抽出されていなかった.

本研究では, 対訳コーパスとして抽出されなかっ た文を含めて,コンパラブルコーパス全体を NMT の 学習に活用する手法を提案する. データ拡張手法と して, 逆翻訳 (Back-Translation:BT)[2] や, その拡張手法である Iterative Back-Translation (IBT)[3][4][5] を利用することで,より効果的なデータ拡張手法を探す. さらに, 上記の手法をコンパラブルコーパスのコン パラブル性を活用して行い, その効果を調べる.

2 提案手法

2.1 コンパラブルコーパスの再現

本研究では, 対訳コーパスの抽出元であるコン パラブルコーパスを翻訳モデル学習に活用するこ とを目的とする. しかし, 実験で用いる NTCIR-10 PatentMT[6] のコンパラブルコーパスを直接入手す ることができなかったため, 以下の方法で対訳コー パスからコンパラブルコーパスを再現した.

  1. $C={}$ と初期化する.

  2. 対訳コーパス $P$ の各文ペア $(x, y) \in P$ について 以下を繰り返す。

$2.1 x$ と $y$ の抽出元の文書である $D_{x}$ と $D_{y}$ を特定する。

2.2 特定した $D_{x}$ と $D_{y}$ を文書ペア $\left(D_{x}, D_{y}\right)$ と し, $C$ に $C \leftarrow C \bigcup\left.{\left(D_{x}, D_{y}\right)\right.}$ と追加する.

最終的にコンパラブルコーパス $C=$ $\bigcup_{(x, y) \in P}\left.{\left(D_{x}, D_{y}\right)\right.}$ が得られる.

2.2 データ拡張手法

節 2.1 で構築したコンパラブルコーパスを利用 して, データ拡張を行う. 本研究では, 4 つの手法で データ拡張実験を行い, 比較を行うことで, より効果的なコンパラブルコーパスの活用方法を模索する.

2.2.1 Back-Translation

逆翻訳手法 (Back-Translation:BT) は, Sennrich ら [2] の提案した手法である. BT の流れを図 1 に示す. 図 1 では, 言語 $X$ から言語 $Y$ の翻訳モデルの構築 を考えている. はじめに, 対訳コーパスを利用して $Y \rightarrow X$ 方向の翻訳モデル Model ${Y \rightarrow X} 0$ を作成する.次に,このモデルを用いて, 単言語コーパス $C{Y}$ mono からサンプリングして得たサブセット $\hat{C}{Y}$ mono を 逆翻訳し, 翻訳結果 $\hat{C}{X}^{\prime}$ mono を得る. 翻訳結果と元 の単言語コーパスを組み合わせて疑似対訳コーパ ス ( $\hat{C}{X}^{\prime}$ mono, $\hat{C}{Y}$ mono $)$ を構築する. 構築した疑似対訳コーパスと対訳コーパスを混合し, 言語 $X$ から 言語 $Y$ の翻訳モデル Model ${X \rightarrow Y} 1$ を学習する. 以上 が BT の流れである. 本研究では, 構築したコンパ ラブルコーパス $C=\bigcup{(x, y) \in P}\left.{\left(D_{x}, D_{y}\right)\right.}$ の Y 言語側 $C_{Y}=\bigcup_{(x, y) \in P}\left.{D_{y}\right.}$ を単言語コーパスとすることで BTを利用する。

図 1 Back Translation

2.2.2 Iterative Back-Translation

Iterative Back-Translation(IBT) は, 原言語の単言語 コーパスと目的言語の単言語コーパスを用いて, BT を双方向かつ反復的に繰り返す手法である. IBT の 流れを図 2 に示す. 図では, 言語 $X$ と言語 $Y$ におけ る IBT の流れを示している. IBT は以下のようにし てモデルを学習する。

  1. 対訳コーパスを用いて, $X \rightarrow Y, Y \rightarrow X$ の各方向 の翻訳モデル Model ${X \rightarrow Y} 0$, Model ${Y \rightarrow X} 0$ を学習 し, $i \leftarrow 0$ に初期化する.

  2. 以下の手順で Model $_{X \rightarrow Y} i$ を更新する.

2.1 Model ${Y \rightarrow X} i$ で単言語コーパス $C{Y}$ mono からサンプリングして得たサブセッ ト $\hat{C}{Y}$ mono を翻訳し, 疑似対訳コーパス ( $\hat{C}{X}^{\prime}$ mono, $\hat{C}_{Y}$ mono) を得る.

2.2疑似対訳コーパス ( $\hat{C}{X}^{\prime}$ mono, $\hat{C}{Y}$ mono) と対訳コーパス $\left(C_{X}, C_{Y}\right)$ を結合し, $\operatorname{Model}{X \rightarrow Y} i$ を fine-tuning し, $\operatorname{Model}{X \rightarrow Y}(i+1)$ を学習 する。

  1. ステップ 2 と同様に Model $_{Y \rightarrow X} i$ を更新する.
  2. $i \leftarrow i+1$ としてステップ 2 に戻る.

本研究では, BT と同じように, 構築したコンパラブ ルコーパスを, 単言語コーパスとすることでIBT を 利用する。

図 2 Iterative Back-Translation 表 1 実験に使用したコーパスサイズ

2.2.3コンパラブル性を利用した IBT

コンパラブル性を利用した IBT では, 構築したコ ンパラブルコーパスが文書単位で対応付けられてい ることを利用して, IBT に利用する両言語の単言語 コーパスをコンパラブルになるように選択する方法 である. 具体的には, IBT のステップ 2.1 および 3.1 で 単言語コーパスから $\hat{C}{X}$ mono および $\hat{C}{Y}$ mono をサン プリングする際, $\hat{C}{X}$ mono と $\hat{C}{Y}$ mono が互いにコン パラブルになるように選ぶ. すなわち, 指定されたサ ンプリングサイズを満たすように最小限のコンパラ ブルコーパスのサブセット $C_{s u b}=\left.{\left(D_{X}, D_{Y}\right)\right.} \subset C$ をサンプリングして, $\hat{C}{X}$ mono $\subseteq \cup{\left(D_{X}, D_{Y}\right) \in C_{\text {sub }}}\left.{D_{X}\right.}$ および $\hat{C}{Y}$ mono $\subseteq \cup{\left(D_{X}, D_{Y}\right) \in C_{\text {sub }}}\left.{D_{Y}\right.}$ のように単言語コーパスを選択する。

3 評価実験

3.1 データセット

本研究では, 使用する大規模なコーパスとして 特許機械翻訳テストコレクションである NTCIR 10 PatentMT[6] を使用した. PatentMT は特許文書から文 を抽出することで構築されている対訳コーパスであ る. PatentMT の対訳コーパスから, 2.1 節の方法でコ ンパラブルコーパスを構築した. このとき,数式を含 む文や長い文を除いた. 使用した対訳コーパスと構築したコンパラブルコーパスのサイズを表 1 に示す.

また, PatentMT の対訳コーパスと構築したコンパ ラブルコーパスの関係を調査した. コンパラブル コーパスの全文書は 66,414 文書である. このうちの 20,485 文書は, 文書内の $10 %$ 以下の文しか対訳コー パスとして抽出されていないことがわかった. また,構築したコンパラブルコーパスを利用することで,約 67%の文を新しく学習に使用することができるこ とがわかった.表 2 コンパラブルコーパスの効果確認実験の結果

3.2 データセットの前処理

前処理として英語文, 日本語文ともに NFKC 正規化を行った. また, 英語文は Moses[7] に付属する トークナイザーと truecaser でトークナイズ大文字小文字の表記を統一した. 学習前の事前処理として, SentencePiece[8] で語彙サイズを 16,000 でサブワー ド化を行った.

3.3 ニューラル機械翻訳のパラメータ

NMT システムには Fairseq[9] の Transformer を使用した. エンコーダー及びデコーダは Transformer を 6 層とした. 学習率は 5e-4 とし, Warmup は 4000 ス テップ, dropout は 0.1 としている. 損失関数は, ラべ ル平滑化クロスエントロピーを使用した. 最適化関数は Adam を利用し, パラメータである $\beta_{1}$ を $0.9, \beta_{2}$ を 0.98 に設定した。

3.4 コンパラブルコーパスの効果

今回構築したコンパラブルコーパスの効果を確認 するための実験を行った. PatentMT の対訳コーパス のみで学習した翻訳モデルと,コンパラブルコーパ スを利用してデータ拡張を行った翻訳モデルを比較 する。

ベースラインは, PatentMT の対訳コーパスのみで 学習したものを利用した. コンパラブルコーパスを 利用した翻訳モデルは, ベースラインに加え, 全ての コンパラブルコーパスを利用したものと,対訳コー パスと同サイズである $3,186,254$ 文をコンパラブル コーパスから抽出したものの 2 つで実験を行った. ベースラインを利用してそれぞれ BTを行い, デー 夕拡張して学習を行った. ベースラインは 20epoch, コンパラブルコーパスを利用した翻訳モデルはどち らも 10epoch の学習を行った. 評価尺度は BLEU[10] を用いる。また, NTCIR-10 のベスト翻訳モデルとも 比較を行った。

コンパラブルコーパスの効果確認の実験結果を表 表 3 翻訳モデルの BLEU

2 に示す. なお, 表 2 のサイズは, 左が対訳コーパス の使用文数, 右が単言語コーパスの使用文数となっ ている.

コンパラブルコーパスを利用した 2 つの結果が ベースラインを上回ったことから,これまで利用さ れていなかったコンパラブルコーパスを活用するこ との有効性を示している. また, NTCIR-10 のベスト 翻訳モデルと BLEU を比較すると, BLEU を大きく 上回っており, 本実験で作成された翻訳モデルは十分な性能があるといえる.

3.5 データ拡張手法の比較

節 2.2 で説明した BT, IBT, コンパラブル性を利用 したIBT の 3 つの手法で実験を行い, データ拡張手法の比較を行った. データ拡張は学習データのサイ ズが少ないほど効果が見られるため, 学習に使用す るデータ数を減らして実験を行った. ベースライン は対訳コーパスを 10 万文使用して学習を行った. 提案手法である 3 つのデータ拡張手法では, ベースラ インに加え, 10 万文ずつコンパラブルコーパスから サンプリングし, データ拡張を行い, モデルを更新し た. モデルの更新後, 新たに 10 万文をコンパラブル コーパスからサンプリングし, 対訳コーパスと混合 してデータ拡張を行う. これを繰り返すことで, モデ ルの更新を進める. モデルの更新は 3 手法とも 5 回行った. 比較は, 開発データで最も高い BLEU スコア のモデルで比較を行った.

データ拡張手法の比較を行うために, BT, IBT, コ ンパラブル性を利用した IBT の 3 つの手法を行っ た. 実験の翻訳モデルの学習結果を, 表 3 に示す. な お, 表 3 の学習データサイズは, 左が対訳コーパスの 使用文数, 右が単言語コーパスの使用文数となって いる. なお, 太字になっている BLEU スコアが, 開発 データで最も高い BLEUを示した Model である.英日方向における各手法の BLEU を比較すると, コンパラブル性を利用した IBT が最も性能が高く,続いて IBT の性能が高い. 日英方向における各手法 の BLEU を比較すると, 英日と同じく,コンパラブル 性を利用した IBT が最も性能が高く, 続いて IBT の 性能が高い. IBT は, BT と比較して, BLEU が高いこ とが確認できる. コンパラブル性を利用した IBT は, コンパラブル性を利用していない BT や IBT と比較 して, BLEUが高いことが確認できる.

4 結論

対訳コーパスをとして抽出されなかった文を含め たコンパラブルコーパスを利用してデータ拡張を行 うことで, 翻訳モデルの性能が向上し, これまで利用 されていなかったコンパラブルコーパスを活用する ことの有効性を確認した. また, コンパラブルコーパ スの活用方法として, IBT を利用することの有効性 と, 利用する単言語コーパスにコンパラブル性を持 たせることの効果を確認することができた.

謝辞

本研究は JSPS 科研費 $18 \mathrm{H} 01062$ の助成を受けた.

参考文献

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